新紙幣の発行に伴う、券売機業界への影響をまとめました。
今使っている券売機で、新紙幣・硬貨に対応するには、券売機の改修、買い替えなどをする必要があります。例えば、現行の券売機で新500円硬貨を使用するには、「硬貨選別装置」という部品を交換しなくてはなりません。機種によりますが、部品の交換やプログラムの更新だけで済む場合もあれば、基板交換などハードウェア対応が必要な場合もあり、いずれも費用と時間がかかります。
改鋳(発行)直前になると業者も対応に追われ、作業が間に合わなくなることが予想されるので、部品購入や改修を希望する方は早めに問い合わせた方が良いでしょう。
また、券売機の購入を検討されている方は、改鋳・新紙幣発行でどんな対応をしなくてはいけないのか、機械やメーカーごとの対応をあらかじめよく確認した上で検討をしてください。
新札対応の券売機にシステムを改変することは労力もコストもかかりますが、顧客や消費者はそういった企業や店舗の事情をくみ取ってはくれません。そのため、新札に対応していない券売機やシステムを使ったままにしておくと、顧客や利用者からのイメージが悪くなるだけでなく、使いづらい店や施設だと思われて顧客満足度やリピーター率まで低下してしまいます。
一方、早期に新札対応の券売機を導入しておくことで、新札未対応の券売機の店や施設から流出してきた消費者を獲得できるチャンスが拡大します。
現代の券売機はデジタル化が進んでおり、最新の環境に適応している券売機を導入する場合、物理的な利用環境やシステム的な利用環境に合わせてカスタマイズしたり、そもそも新しい券売機をオーダーメイドしたりすることが可能です。
また、メーカーの保守点検やメンテナンスといったサービスも付帯されているため、導入後に改めて利用効率や業務フローを見直して行くこともできます。
新札の発行が話題となっていますが、そもそも現金を持ち歩かないという人も増えており、キャッシュレス化は国際的にも今後ますます進んでいくと考えられています。また、外国人観光客などインバウンド需要でキャッシュレス決済が求められることもあるでしょう。
重要な点は利用者へ選択肢を提供できるということであり、新札を含めた現金紙幣から電子マネーや二次元コード決済などにも対応できる券売機であれば、幅広い客層へアプローチすることが可能です。
「2024新札にも対応!おすすめの券売機メーカー3選」を見る
中古の券売機は古いシステムを搭載している可能性があり、新札や最新の決済方法に対応できないケースが想定されます。
仮にこれまで通りの決済方法であったとしても、他の店舗や施設で使える新札が使えないとなれば、顧客のイメージも悪化する恐れがあります。
新しい硬貨や新札が普及していくに従って、利用者が新札を使用する機会も増えていき、新札に対応していない券売機では現実的に顧客獲得のチャンスを失いやすくなるでしょう。
改鋳や新札の発行後は旧貨幣の使用頻度が減っていくため、いずれ新しい券売機に交換しなければなりません。
旧式の券売機のメンテナンスコストを支払いながら、さらに新札対応の券売機を導入するのであれば、早めに新札対応の券売機へ交換しておくことがコストメリットを考える上でも有効です。
ボタン式券売機は、硬貨と紙幣の識別ユニット(コインメック・ビルバリ)の交換やファームウェアの更新で新500円硬貨と2024年発行の新紙幣に対応できます。2021年11月に発行されたバイカラークラッド構造の新500円硬貨は素材や重量が微妙に変わったため、旧型センサーでは誤判定が起きやすく、製造元が提供する対応キットを組み込む必要があります。作業は数時間で完了しますが、部品代と技術料で数万円〜十数万円を見込むのが一般的です。_
一方、ボタン式は購入単価が比較的低く、操作が単純でスタッフ教育も最小限に抑えられることが特徴で、飲食店での運用に適しています。券種変更や価格改定もボタンラベルの差し替えだけで済むケースが多く、機械本体を長期にわたり利用できる点が大きなメリットです。ただし、最大収納枚数がタッチパネル式や大型据置型に比べ少ないため、利用者数が多い店舗ではつり銭切れリスクを考慮して定期補充の運用体制を整える必要があります。
タッチパネル式券売機は液晶画面上でメニューを視覚的に提示でき、外国語表記や写真付きメニュー、動画広告などを柔軟に組み込めるのが特徴です。
タッチパネル機は視認性とアクセシビリティの高さから、2024年7月発行の新紙幣で採用されたユニバーサルデザイン(大型アラビア数字、識別マーク)とも親和性が高い点が評価されています。利用者は金額を画面で確認しやすく、券種ごとに色分けやアニメーションでガイダンスを出すなどの細かなUX調整も可能です。結果として、外国人観光客や高齢者でも直感的に操作でき、導入施設の回転率向上や人件費削減に寄与します。
卓上型券売機は設置面積が小さく、重量も30 kg前後と軽量なため、カウンター上や省スペース店舗に向いています。一方で、床置き型(据置型)は高さ1.4 m前後で収納枚数が卓上型の2〜3倍あり、500円硬貨だけでも300〜600枚を保持できるモデルが一般的です。
新紙幣・新硬貨への対応では、スペースに余裕があるぶんモジュール交換が容易で、部品在庫も安定して確保しやすい傾向にあります。設置フロア強度や搬入経路を事前確認すれば、リニューアル工事を最小限に抑えて導入可能です。
近年は現金識別部をあえて簡素化し、QRコード決済・ICカード決済を主軸にしたキャッシュレス専用券売機も普及しています。キャッシュレス対応モデルでも硬貨/紙幣部を併設している機種は、すでに新500円硬貨と2024年新紙幣を標準サポートして出荷されています。
これにより、現金利用比率が依然高い高齢者層や交通系IC未導入地域でもスムーズに導入できるのが利点です。券売機本体がクラウドと常時接続されているため、為替レートやメニュー価格を自動反映し、多言語音声ガイダンスも遠隔設定が可能です。結果として、保守作業はソフトウェア更新中心となり、ハードウェア改修はセンサー清掃と消耗品交換に限られるため、総保守費を30〜40 %削減できた事例が報告されています。

AlipayやWeChat Payなどアジアで広く利用されているキャッシュレス決済に対応しており、国内外の幅広い顧客層に利用されています。また、日本語、英語、中国語、韓国語の多言語対応により、訪日観光客もスムーズに利用でき、注文が効率化されるため、店舗の回転率も向上。これらの多言語サポートと豊富な決済オプションによって、訪日客やキャッシュレス利用者にも快適で便利な注文体験を提供しています。
種別:タッチパネル式
ボタン数:-
サイズ:398(W)×239(D)×600(H)mm
ディスプレイサイズ:15.6インチ
価格:要問合せ
業務の効率化や人手不足対策を目的にした機器導入を広く支援する仕組みです。既存機器の置き換えではなく「新規導入」であることが条件ですが、新札導入を機に「食券制度を導入したい!」と考えている場合や新規オープンの店舗がある場合に活用できます。
中小企業や小規規模事業者を対象にした補助金制度です。食券機を含むITツール系やその周辺機器に活用できます。「通常枠(A・B類型)」・「セキュリティ対策推進枠」・「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」の3種類に分類され、それぞれ目的に応じた費用を限度額の範囲内で補助してもらえる仕組みになっています。IT補助金制度については、下記のページでより詳しく説明しています。
さらに詳しく補助金について知りたい場合は、下記のページをぜひチェックしてみてください。
現在、券売機の導入を検討されている方にとって、新紙幣の発行は頭の痛い問題かもしれません。購入自体を見合わせるのか、リースやレンタルを利用しつつ発行後に新品を購入するのか、悩んでいる方も多いでしょう。
新品を購入する際は、改鋳後の対応策をメーカーにきちんと確認した上で製品を選びましょう。
このタイミングで中古品を購入するのはおすすめしません。買ってもすぐに改修が必要となり、費用がかさむだけでなく、新品のようなメーカー保証や保守サポートが受けられない可能性があるからです。
キャッシュレス決済が大きく普及する中で、硬貨や紙幣の流通量も減っていくと予想されています。券売機を導入する際は、社会の状況も見据えて、必要な機能、製品を選んで下さい。
券売機の導入は、人件費削減や業務効率化、キャッシュレス対応を目的とする店舗が多いでしょう。重要なのは、これらの条件を満たしながら、さらに自店舗に適した券売機を選ぶことです。ここでは、省スペース・多店舗・売上管理といった、目的別に3つの券売機メーカーをピックアップ。ぜひ参考にしてみてください。

離島・遠隔地を除き、
通常の場合最短2~3営業日

要問合せ

要問合せ